日々妄想を逍遥

ダイアリーから移築。中身は変わらずに色々と、あることないこと書き込んでます。

はい。

高校生の二人組み。
もう受験だなんて言いながら、でも結構お互いにどうでもイイ将来。
未来とか良く解らないけど、やりたいことも解らないけど、それでも生きていく時間。
膨大な時間の流れの中で、たった一時だけ交差したお互いの時間。
永遠なんて言葉は好きじゃないけど、それでも三年間は取り敢えず一緒にいた。
隣で何時も笑っていて、くだらないって言いながら笑って。
毎日帰りに寄ってるコンビニ。
店内で流れる流行の曲に付いていけないと呟いたら、次の日に手渡された編集済みのMD。
今でも、手放さずに持ち歩いているのは、きっとくだらない感傷なんだよ。


あ、肉まん食べる?アンマン?え、俺餡子嫌いなんだけど。


馬鹿だけど、毎日輝いて見えたのは、きっと思い出なんて言う名前の幻覚だ。
あー、将来かー。
むしろ、将来ってなんですか?
大学ねー、アンタ行くんでしょ?頭いいもんね。
俺?さぁね。なんも考えてないや。でも、もう机の勉強は飽きたな。ほら、俺ってじっと話聞いてられないもん。
うん。そうだね。
ニートって、そんな余裕ないもん。


コンビニのチャイム。
手の中には二つの肉まんが入った紙袋。それに、コーラ。
煙草の箱は潰れて鞄の底に。
海の近く、灯台のすぐ足元が何時もの場所。
クソ寒いし、これって軽く自殺行為じゃありませんか?
風強いし、肉まんが秒速で冷えていくんですけど。
ストレートに原料の味がするんだけど、この肉まん。
カイロの代わりにもなりゃしないよ。
あ、自販機行くならコンポタ買ってきてよ。
並んで投げ出した足。アンタの方が長いってのがむかつくんですけど。
ちったぁ縮め。可愛げのない。


将来は、解らない。
うん。そうだね。
未来も、知らないし考えた事がない。
へー。
でもな。
うん。
また、来年の冬も肉まん食いに来ようや。
は?寒いのに。ってか、もう来年の話?今年、入ったばかりですけど。
可愛くないことを。


そんな憎まれ口を叩いてみましたけど、ちょっと嬉しかったことは内緒の方向です。


あぁ、来年のことは知らないけどね。でも、この空間が嫌いじゃなくて、出来ればずっとこうして隣で馬鹿やって笑ってられたらって、思っちゃうぐらい、俺はアンタが好きみたい。
恋に恋なんてしないよ。だって、魚類と恋愛は出来ないだろう。
え?その鯉じゃないって?解ってるよ。
さぁ、明日のレッスンと生きましょう。
まずは、その手の中にある肉まん食っちまえよ。
ラーメン、食いに行こうや。


それから、同じベッドの中で朝が来るまで囁きあって、同じ空気を共有しましょうか。
気が向けば、肌でも合わせてさ。
ねぇ?キモチイイ事、嫌いじゃないでしょ?
俺ね、他人嫌いだけど、アンタに侵食されるの嫌うじゃないよ。
あ、何だよその顔。どんだけ嫌そうな顔してやがる。
拒否権は却下します。そんなもん、与えてやるか。
黙って、俺に付いて来い。
なーんてな、惚れる?


今日の晩飯は、炒飯な。ついでに、スープも作ってやるよ。
まずは、ラーメンだ。


そうやって、明日を目指して生きるのに精一杯だからさ、将来とか未来とか、そんなもん、後ろ足で砂掛けて打ち棄ててやる。
さぁ、生きようか。