日々妄想を逍遥

ダイアリーから移築。中身は変わらずに色々と、あることないこと書き込んでます。

オリジナル妄想

声を枯らして叫ぶ想い

強くありたいと望むのは簡単だけど、その望みを叶えるのは難しい。 一人であることを恐れない強さなど、幻想に過ぎない。他者の中に混ざることの出来ない弱さを隠して誤魔化して強さに見せかけているだけだ。 不自由な自由に耐えうる強さを手に入れたくても…

おいでませ、万事屋さん

4月1日 天気 晴れ 記入者:春・夏サクラ満開の入学式で、今日はお仕事でした。 ほんじつは、新しいバイトの人がいました。 空くんって名前の男の子です。空くんは、お父さんがメンセツをして雇った人です。そんな人は万事屋さんにいないので、逆に空くんは…

糸し糸しと言う心

ジリジリと殺人的な音量で鳴り響く目覚まし。 毎朝死ぬ気で止めてます。今日も、タオルケットの間から手を伸ばしてスイッチをオフに。そして、そのまま二度寝に突入する寸前に飛び起きる。そうだ、今日は暢気に遅刻できる学校なんかじゃないんだった。 部屋…

人形芝居

別に強い訳じゃない。 かと言って、弱い訳でもない。 ただ、良く解らないのだ。 長い間動かさない筋肉は動きを忘れて本来の役目を放棄すると言う。 きっと、自分の顔の表情筋は、そうやって動きを忘れたんじゃないだろうか。 もとから、あまり感情が動かない…

これから始まる物語

歩き出した時間は止められない。 それならば、せめて悔いることのない時間を歩みたいと。 そう言って前を見据える瞳の強さに、少しだけ怖くなった。 遥か昔に、数多の人間の思いを刻み込まれてなお倒れない、まるで救世主のような生き物が存在したらしい。私…

居場所

自分の居場所が解らなくなったのは何時からだろうか。所属するものは沢山ある。それは、仕事だったり家族だったりの関係で、決してそこは居心地の良い居場所ではない。それは、居なければならない場所だ。居たいとは、帰りたいとは思えない場所。それでも、…

12代目脱走計画−雪都逃げマース−

匡が出かけて一時間。ぼちぼち目がストライキを起こし始める。これ以上書類に向かっていると精神の崩壊を招きそうで、雪都は持っていたペンを放り投げる。五分の一程に減った書類だけど、終わりがまったく見えない。むしろ、見せる気なんかないだろうと雪都…

12代目脱走計画

「飽きた・・・。」書類の海に埋もれること早三日目。流石に、紙の山は減ったけれど、それと同時に順調に雪都のHPも減っている。 人間が過ごす最適な環境に整えられたご大層な執務室。エアコン様様。この機械のおかげで最高な環境で最低な仕事が出来る。馬…

悔しさを身のうちに笑ってみせましょうか。

腕に舞い踊る黒い蝶の羽根。 例えこの身に羽根を刻もうとも、何処にも飛び立てない。 もちろん、そんなこと知っている。それでも、望まずにはいられない。何処かへ行きたい。何処か遠くへ。ここではない何処かへ。 何処へ行きたいのか、そんなの解らない。 …

涙なんて流してたまるか。

噛み締めた血の味は忘れない。忘れてはいけない。それを糧に、前に歩くんだから。 泣いてたまるか、涙なんて見せてたまるか。涙は付け入る隙でしかない。涙を器用に使って嘘を使って生きるには、自分は弱いから。嘘に隙を作る涙は流さない事にした。表情を作…

Tatoo−黒い猫−

チッチと舌を鳴らしながら、少年は片手に皿を乗せて器用にバランスを保ったまましゃがみこむ。皿の上に乗るのは、濁った目をした魚の頭。 「ねこー、ねこねこ。出ておいでぇ、ご飯だよー。」 咥えた煙草をそのままに喋る少年の言葉は、少しだけ舌ったらずに…

Tatoo

「Tatooを彫りたいの。」 「はぁ?んなもん、どーすんのよ。」 「・・・目印。」暗い夜道、小さな総合病院。その名の通り、なんでもしてくれる病院。マトモな病院に行けない人間や、行ってはいけない怪我人。銃弾の摘出とか、アルコール中毒とか、薬物の禁断…

籠の鳥は何を思うか

籠の鳥は何も知らないフリをする。 生まれた瞬間の気紛れか、籠の中。一人歌うは悲しき旋律。今日も明日もその先も、待ってる未来に外はない。この籠の中だけが世界の全て。何時か。何時の日か、きっと外の世界に飛び立てる。 そう思ったのは遥か昔の幼き籠…

涙に暮れる茜空

この時期は好き。今までとは違って、仕事が終わっても明るいから。ほら、咥えた煙草だって蛍にならないでしょう?オレンジの空、流れる雲、微妙にまだ見える青と黒の境界線。ぼんやりとした夏前の空気。生温いような、冷たいような、誰かに肌を撫でられてる…

本日は晴天なり

最高の仕事日和。不健康な俺の仕事でもやっぱり晴れってのは嬉しい訳で、今日も元気にお仕事に出発。 仕事をしなくても生きていける世界を目指してみたけれど、そんな世界は何処にもなくて。結局毎日頑張って仕事してます。これでも俺は売れっ子なんですよ。…

中毒患者

自覚?そんなもんが、中毒患者にあると思うな。 社会性?んなもん、身に付く前に社会からはじき出されたよ。社会に適応できない俺じゃなくて、社会が俺を適応させてくれないんだもん。 底辺?人に誇れない仕事?そんなもん、クソ喰らえっての。必要とされる…

毎日適当で生きてます。

今日の仕事は引越し一件と犬の散歩代行が二件と、それからレストランのセッティングが三件。引越しの合間に犬の散歩を一気にクリアして、それからレストランをはしご。 いや、今日は良く働いたよ。自分頑張ったよ。これで家賃と携帯代を払えるね。 不定期な…

向かう先は

新しい季節の前触れ。 出しっぱなしで悲惨な状況になっていた炬燵。意を決して思い切って布団を跳ね上げて見れば、失くしたと思っていた靴下とかアンダーシャツとか、それに雑誌の切れ端だのテレビを見ていた時のメモだとか、ともかくとんでもない有様だった…

電車の中

新学期、浮ついた子供を尻目に、改札を足早に通貨する。 自分にもあんな時代があったのかもしれない、なんて洒落にならない戯言。一緒に学校に行こうと約束を交わす子供の姿は、まぁ微笑ましいと言えなくもない。塞がれた通路。邪魔な鞄を足先で蹴り飛ばした…

今日が過ぎればそれで幸い。

「明日が必ず訪れるなんて安寧で能天気な事信じてる、全世界の馬鹿に宣戦布告の花束を。」 「それ、決め台詞のつもりですか?」 入組んだ路地が迷路みたいに連なっている界隈。地下と地上の境を曖昧にして、どこまでも下に、どこまでも上にと重ねたガラクタ…

明日へのレッスン

本日のご飯は炊き込みご飯。安売りのロシア産だかの鮭が安かったので、鮭の炊き込みご飯決定。それから、これまた安売りで貧乏の味方であるモヤシ。モヤシとキャベツの野菜炒め。もちろん、肉など入りませんけど何か? それから、切り詰めた食費の中で唯一の…

暗闇遊戯

真っ暗な部屋の中、一つだけ灯る蝋燭の明かり。 頼りない小さな明かりはふらふらと揺れて、部屋の中の陰影を彩る。 ふいっと風に遊び踊る影が二つ。 離れてはまた寄り沿って、また離れる。 寄り添うたびに響きあうのは、金属が撃ちつけられる甲高い共鳴音。 …

歌う楽しさを胸に秘めて叫ぶ

歌うってことは生きることだ。 声を出して想いっきり歌って、それだけで生きているって実感できたのに。何時の間にか、歌うことが苦しくなった。自由に声を出せなくなって、自分の身体のはずなのに自由に操れなくなった。 焦って声を絞り出して、まるで悲鳴…

雨の中で一人踊る

駐車場のライト。真っ白なライトの中、たった一人雨に濡れて踊る人。 仕事の帰り、雨の日はあまり電車に乗りたくないけど乗らないと帰れない。仕方ない、これも社会人の幾多の試練。丁度きた電車に乗り込む。 極力触れないように気をつける。なんだか、雨の…

美しき日常

明日が必ず来て、それが今日と同じ繰り返しの日々で。退屈でくだらなくて刺激も何もなくて、そんな日々を切望する。 今日は何とか生き延びた。今日は何とか寝床も確保できた。泥の中、僅かに乾いた木の洞の中。無理矢理に身体をねじ込んで、入り口を一応カモ…

事務所はいつもと同じ色をしてました。

朝日が眩しい午前九時。 事務所の鍵をあけて中に入る。玄関で郵便物を回収するのも忘れない。新聞と、請求書と請求書と督促状と請求書と・・・悲しくなるから止めました。それから、事務所の窓を開ける。締め切ったままの空気が入り込んだ新しい空気に押しや…

執行人

叩かれるドアに、男は不機嫌そのもので誰だと怒鳴る。 昨日連れ込んだ女は外れで、今はベッドの上で横になっている。 折角気持ちよくなれる薬を飲んでだったのに、女は急に呼吸を止めて動きも止めた。男は、不機嫌そのものだった。 −ダン、ダン、ダン 一定の…

襲名したくないけど

いい加減慣れないといけない。 黒くて動きにくいだけのスーツも、胸元に光る権力の証も。 そして、足元に傅く大勢の人間にも。 執務室の机は黒い木目。国産最高級の木材を使用してるとかで、お宝鑑定団に担いで持っていけばいいのに。 「雪都さま、こちら新…

三日月夕の考察

ふわりと、煙草の煙が室内で遊ぶ。 紅茶と珈琲とちょっとお高いお菓子。 三時の生徒会室は、ちょっとまったりとした空気に包まれる。 いつもはカリカリプリントにサインする音とか、キーボードの物凄いタイプ音とか響くけど、今だけは全てが停止。 午後の日…

三日月さん家の双子

同じ部屋の二段ベッド。俺が上で、夕が下で寝てる。 夕は普段からぼけてるので、上で寝ると普通に落下してくる。それから、俺がずっと上で寝てる。 目覚ましが鳴って、朝が来る。今日は、学校の日だ。夕は学校大好きだけど、俺はどっちでもない。好きが零で…