日々妄想を逍遥

ダイアリーから移築。中身は変わらずに色々と、あることないこと書き込んでます。

す、すっきりしねぇ・・・って話

取り敢えず、紹介。

悪の教典 上

悪の教典 上

悪の教典 下

悪の教典 下

再読して、やっぱりスッキリしない読了感に苛まれる古歌さんです。
貴志祐介の作品、一番最初に読んだのは「青の炎」でした。まぁ、あれもスッキリしないと言うか腑に落ちないと言うか・・・


基本ですね、古歌さんは探偵が快刀乱麻の勢いで犯人を指摘して目出度く事件解決はっはっはーって話が好きなんですよ。
ミステリにありがちな、勧善懲悪のお涙物とか大好きですよ。
犯人の過去に悲しい事件があり、悲劇が引き起こした悲劇とかも大好きですよ。


そんな、ある意味でベタな上にオーソドックスなミステリが大好きだ!!
古典ミステリは、そーゆーベタを楽しむ物なのですよ。
もちろん、犯人を推理しながらメモ書き片手に読むのも大好き。


だが、この悪の教典はメモ書きが必要ないミステリです。
叙述ミステリって言うんだっけか?犯人の視点で描かれるミステリ。


一時期は、その視点を利用した二重仕掛けのミステリもありましたね。
途中で視点が巧妙に入れ替わっているものとか。

ハサミ男 (講談社文庫)

ハサミ男 (講談社文庫)

これとか。この話も凄い好きでしたよ。まんまと騙されたと言うか、まんまと引っ掛かったと言うか。


悪の教典は、このスッキリしない感を楽しむ物なのかもしれません。
こう、ラストでもやっとする感じ?



ハスミンには最初から最後まで。徹頭徹尾、完膚なきまでに、感情移入出来ませんでした。
まぁ、ほんの時々にハスミンにも感情と言いますか人間らしい瞬間が、無いわけじゃ無いけど。
それでも、この最後まで感情移入をさせないキャラクターが古歌は好きで好きで堪らないのですよ。

ちなみに、これ買ったのはハードカバー帯の「俺には感情がないらしいんだ。」に惹かれたからなんですけどね。
感情の無い人間、殺人鬼ってのは結構書かれている題材だと思いますけど、ここまで徹底的に感情が無いってのは、なかなか見かけないのではないでしょうか。

共感性ってのは、考えると人間の一番の抑止力なんだと思います。



ハスミン、映画では伊藤英明が演じるらしいけど。
古歌の中では、ずーっと玉木宏で再生されていました。途中で数回は水谷豊になってたけど。

伊藤英明かぁ・・・イメージじゃ、ない。
もっとタイプの違うイケメンが良かったなぁ。
まぁ、映画は見てないのでなんとも言えませんけど。取り敢えず、映画みようかな。


あと、前回読んだ時にモリタートがどんな曲かピンと来なくて、検索したんですよ。

これが一番イメージに近い動画でした。

これを聞きながら下巻を読んで、後悔しました。
駄目だ。気づけば古歌さんも口笛吹いてた!!


頭に残るメロディーですが、歌詞は本当に怖い。


それと、華氏451ですけど。これは高校の世界史の先生に進められて読んだ。
ちょーど、中国史やってる時で、焚書坑儒の話をしてて流れで勧められた。


「古歌さんは共感出来ると言いますか、きっと恐怖を覚えると思いますよ。」


と、授業中にこっそり読んでた本を取り上げられた時に言われたの、今でも覚えています。
めちゃくちゃ怖いと言うか、容赦がなくて厳しい先生だったけど授業は楽しかったし、余計な話も面白い先生だった。
ちょっとハスミンと似てるかもしれない。
今でも夢に見ますからね。テストの返却時に点数を言いながら返す先生の夢。
それから、指名されて何とか答えると、「はい、まったく違いますよ。」と笑顔で言われる夢。
あぁ、怖い。

あ、ちなみに取り上げられたのは栗本薫先生の「朝日のあたる家」でした。
ちなみに、取り上げられて放課後返しにもらいに行ったら、「続きを貸してください。」と言われたのも覚えています。
そーえば、グイン・サーガを貸してくれたの先生だったなぁ。
今は、どーしていらっしゃるのか・・・変わらずに変な先生でいてくれたら嬉しいですけどね。

炬燵で珈琲と読書って、最高の休日でしたとも。
ではでは、明日の為に寝たいと思いますです。らぶぅー。