日々妄想を逍遥

ダイアリーから移築。中身は変わらずに色々と、あることないこと書き込んでます。

冷たい熱帯魚見たって話

ども、古歌です。現在ものごっつい暴風です。家が揺れる。

さて、本日は午前中で仕事終了で休み。本当はカットに行こうと思っていたんんですが却下。帰れなくなる可能性があるもんで。
で、お家でごろごろ引き籠もりってました。
で、これ見た。

冷たい熱帯魚 [DVD]

冷たい熱帯魚 [DVD]

TSUTAYAでレンタルだけどね。
前から作品そのものに興味はあったし、この監督の名前って何度聞いてもぼんやりとしか覚えられないなーと思ってたので。
なんか賞を色々受賞してる作品だってことしか知らないで見ました。基本、古歌さん映画選ぶときは雰囲気で選んでますので。内容とか見ないと知らないもん。これも、話題だから借りたってのが一番の要因かと。


映画そのものはまぁ、想像にお任せしますとしか。実際にあった事件を参考に作られた映画のようで、その元ネタ(って書くと不謹慎だろうか)も調べてみました。
あくまで古歌の感想ですけど、この監督さんって事件を元ネタとしか思ってないんだろうなと思いました。
面白い事件あったし、それで映画でも作らね?的な感覚じゃないかと。面白がることに遠慮がない感じ。
すっごく不謹慎だし人権派の人に怒られそうだけど、センセーショナルな事件程面白いんだよ、自分が無関係ならなおさら。
たくさんの人が殺されたりとか、殺人鬼の理解できない心理とか、人体がバラバラにされるとか、そーゆーのって面白いんだよ。だって、非日常だもん。
自分が無関係なら、実際にあった事件だろうが何だろうが、エンターテイメントと同じなんだよ。自分に無い向こう側の日常を楽しむだけなんだと思うんだ。
それを不謹慎だって押さえつけるのは、臭いものに蓋をする心理だと思う。
被害者の事を考えろとか、殺された人の事を考えろとか言われる。もちろん、考えてない訳じゃ無い。可哀想だなとか、人を殺すのは絶対に駄目なんだとか、早く犯人捕まるといいなってのは思う。
でも、それとは別に面白いって思う気持ちがもちろんあるんですよ。


この監督さん、それを素直に映像や作品に反映出来るんじゃないかなーなんて思います。




さて、映画の感想。
印象に残ったのは、食卓の描写とラストシーン。
映画のネタバレしますので、見たくない人はバックプリーズ。
まず食卓の描写。冷凍食品を買いまくり、それを次々レンジに放り込むお母さん。そして三人でテーブルを囲み無言で食事をする。
黙々と下を向き食べるお母さん、ちらちらと視線を回しつつも無言のお父さん、漫画雑誌を読みながら片手間に食べる娘。
そして娘の携帯が鳴り不自然な食卓は解散される。
そう、不自然なんですよ。食事ってのは生きる基本で家族の中心として描かれる場面ですよね。その食卓の不自然さは、そのまま家族としての不自然さに繋がってます。母親って存在を理想の姿に昇華する事で現実とのギャップを線引きするんじゃないかと。
この食卓の不安定さ、ひいては家族の不安定さはその後も映画そのものの不安定さに繋がってると思います。安心出来るシーンが一瞬も無い。安心出来るシーンのはずが、妙に張り詰めた不自然な感じや違和感を思い出して不安定になる。物語そのものが、薄氷の上で演じられてる感じ。
後半の役者さんの熱演が不安を増長させるのさ。


で、ラストシーン。
普通の映画なら、娘はあそこで改心して父親の死体に縋り付いて泣きわめいて「お父さん起きてよ」とか「ごめんなさい」とかお涙頂戴のシーンになるんでしょう。
つか、そうなったら古歌はこの映画のDVD砕くと思う。レンタルだけど、砕くと思う。前半の緊張感や不安定な演出はどーした!?とコッチが泣き喚くと思う。
いや、あのラストはイイ意味で裏切ってくれた。安易なお涙ラストを想像した古歌に一発ぶちかましてくれた。
どうだよ、最後まで不安定で終わってくれたんだよありがとう。
ラスト、お父さんが必死に掴んだ人生観を語り尽くしてまさかの自殺。しかも、娘の目の前で首かき切って死んでるし。娘一生トラウマもんじゃん。と思いました。
が、なんと娘トラウマなんて何のその。ようやく死んだよくそ親父と言わしめるその根性。惚れた。娘に惚れた。そうだよねー。どんだけ衝撃的なラストを迎えようが今まで蓄積し鬱屈してきた感情が早々変わる訳が無い。よくさ、親が死んだらスッキリするとか言ってた子供が実際親が死ぬと実は全然そんなこと思ってませんでしたってなる展開あるじゃんね?
私、あれ嫌いなんだよ。そんな簡単な覚悟と意思で親の死を望むんじゃねーよと思ってしまう。んな軽いもんなら口にするなと思う。
これは私が見た中で一番趣味に合う秀逸なラストシーンだと思う。



この映画、ずいぶん賛否両論あるみたいですね。むしろ、この監督の作品そのものが賛否両論?
園子温監督作品はこれが初めてですが、他の作品も見たいですね。
ちょっとブームキタよ。マイブームきたよこれ。
他の作品を見てから、もう一度感想書きたいなぁ。とりあえず、映画見て熱の冷めないうちに感想書こうと思いました。
映画の熱に浮かされるのはブラック・スワン以来だなぁ。



さて、明日も休み。お出かけしよーっと。ちょっくら都会へ用事です。
お出かけなんて気軽な用事じゃないんだけど、せめて気分だけでも気軽にしたいもんで。
んじゃ、そゆことでらぶぅー。