日々妄想を逍遥

ダイアリーから移築。中身は変わらずに色々と、あることないこと書き込んでます。

KOTOKOを見たって話

ども、古歌です。
ちょっと映画の感想。


KOTOKO 【DVD】

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この映画、封切り当初は絶対に見るものかと思ってました。なぜかって、Coccoが映画に出ているから。ただそれだけ。
Coccoは古歌の中で歌手なので、映画とかマジで止めろよ馬鹿と思ってましたスイマセン。
ただ、話は凄く気になってたし珍しくレビューなんぞを漁ったりもしましたよ。
で、我慢できなくて見ちゃった。

琴子(Cocco)は世界が二重に見える。人の顔の裏表が見える。ただ、それはあくまで彼女の世界での話。実際にその二つの顔が本当かどうかも解らない。
その結果、壮絶なまでに命懸けな毎日を送る琴子。彼女にとって唯一の救いが息子。
ところが、幼児虐待の疑いの為に息子と離れて暮らすはめに。
そんな琴子のもとに現れた田中。彼は琴子のそばに居たいと、ずーっと琴子のそばに居ようとする。


いや、この結末、ちょっともうね……駄目だ。
心が弱ってる時に見ると、多分死ぬ。死ぬ、というかコッチの心までボッコボコに折に来る。むしろへし折られる。


個人的に、この結末はハッピーエンドと思いたい。琴子が救われているんだと、思いたい。
二重に見える世界の中、息子と歌だけが琴子の拠り所。
そして現れた田中のおかげで幸せになるとまで言った琴子。
この田中が消え、息子が戻り、そして息子が消える。
時間の感覚がなくなり、生きている感覚がなくなり、そんな中でも琴子の中には歌が残る。


全編通して醉うけどね。
内容が内容だけに前のめりで見てしまって、カメラワークに酔いますよ。そりゃもう、クルクルグルグル酔っ払います。
琴子の心象をカメラで表すには必要な動きなんだけど、その意図通りに引き込まれて分け解らなくて酔います。


Coccoの声が健在なのは本当に嬉しいなぁ。
歌う彼女の瞳が輝き、真っ直ぐに前を見つめる様は見ていて清々しいとさえ思う。
歌う為に生まれてきたのだろうと思ってしまう。
決して綺麗に歌う人ではない。でも、納得してしまう歌声ですとも。


一番好きなので、田中と差し向かいで歌い上げ、笑い涙する琴子のシーン。
本当に、彼女の笑い顔は綺麗。二っと唇を釣り上げて、顔全体で笑うその顔が好きです。


うーん、古歌さんは多分Coccoが好きなんだと思う。
いや、大好きなんだと思う。

賛否両論あるけど、この映画見て良かったと思うよ。
綺麗な物も、汚いものも、全部全部が世界であって。綺麗なものだけ見れる閉じた世界では生きていけなくて、でも世界を開いても生きづらくて、結局世界の中で生きていけないけれど、それでも終わった世界の外にも救いはあるんだと思ったから。
人に勧めるには趣味が別れる映画だとは思うけど、もしもCoccoが好きなら見て損はないと思う。

んではらぶぅー。