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日々妄想を逍遥

ダイアリーから移築。中身は変わらずに色々と、あることないこと書き込んでます。

舞い散る花唄



この階段を下りた先に、不思議の国への入り口があった。


昔昔のお話。まだ私が小さい頃、たった一人で遊んでいた私の元に届いた招待状。
桜色した封筒の中に入った、真っ赤な便箋。
綺麗な細い文字で書かれた招待状。
鍵は桜の花びらの形。
ワクワクしながら鍵を握り締めて走った。地図に書かれた入り口。
階段を探したら、コンクリートの壁の内側。
子供一人通るのがやっとの小さな穴から中に入って、階段を下りる。
その先に見えた小さな扉。
ドキドキしながら鍵を差し込んだ。
カチって小さな音と共に開いた扉の向うは、一面の桜。
ひらひら散った花びらの中を歩き出せば、私は不思議の国のお姫様。
ドレスは黒い長い重い。どーせなら、この間先生の結婚式で見たような、真っ白のドレスがよかったのに。
黒いドレスも綺麗だけど、なんだかこの景色には似合わない気がする。


歩いた先に見えたのは、ひと際大きな桜の木。
その根元ではお茶会が始まっている。
私は重いドレスを引きずるようにして走る。
遅刻は駄目よと微笑む貴婦人に膝を折ってご挨拶。
招待状をと手を差し出す紳士に渡す真っ赤な便箋。
王様の招待状だと息を呑む人々。
そんな中を自慢げに満足気に歩く私。
一番奥の大きな椅子に、王様は座っている。
微笑んで示されるのは王様の隣の椅子。
細い足に支えられた真っ白な椅子は綺麗だけど、ちょっと頼りない。
でも王様の奨めには逆らえない。
ドレスの重みで椅子が潰れないかひやひやしながら、そっと座る。


カップの中身は甘い甘いミルクティー。
目の前に広がるテーブルには色とりどりのケーキにお菓子。
どれだけでもお好きにお食べって微笑む王様に笑みを返して、フォーク片手に手を伸ばす。
まるで真っ白な砂糖だけを使って作ったみたいなケーキは、フォークを差すたびにポロポロと外側から崩れていく。
わたあめみたいに溶けていくケーキはちょっと物足りないかな。
その隣で湯気を上げるチョコレート。苺に林檎にブルーベリー、好きな果物でチョコを掬って食べる。
あぁ、黒いドレスでよかったかも。もしも真っ白いドレスだったら汚さないように凄く気を使うもの。


甘い甘いお菓子を沢山食べれば、王様は微笑んでパーティーの余興だと大きな剣を手にするの。
何をするのかと見守っていれば、私の手にも大きな剣。
さぁ戦おうと吼えた王様は変わらぬ笑顔のままで私に襲い掛かる。
びっくりして逃げ出そうとすれば、何時の間にか囲まれてる。
囃し立てる紳士に貴婦人。
ドレスの裾が重たくて、持った剣も重たくて。手が痛くて泣きそうになる。
夢の中は痛みなんて感じないってお父さんは笑ったけど、私の夢は痛いのも寒いのも暑いのも全部感じる夢なの。
切り落とされる手、足、腕、肩、指。
どうせなら一度に全部切り落とせばいいのに、王様は笑顔で私を刻んでいく。
まるで楽しい映画でも見ているみたいに、周りの貴婦人も紳士も笑顔。
とうとう私は手足が全部無くなって、残ったのは頭だけ。
痛いの、すごく痛いのに、気絶することも出来ない。


「さぁ、これでお仕舞い。」


夢の中で、私は何度も殺される。




不思議の国への招待状は、何度も私に届くの。
何度も私は不思議の国へ行くの。
花が散らない永遠に美しい国。
それでもある日、終わりはくるのよ。
不思議の国への階段は、無くなってしまったの。
黒い服の大人が沢山やってきて、不思議の国はお仕舞いになったの。
コンクリートで固められた階段。
あれだけ沢山あった桜の木は全部切り捨てられて、もう花が咲くことも散ることもない。

大きな桜は花が散る間際に、皆で唄を歌ったの。
不思議の国は消えてしまったけど、唄は消えない。


その唄は、舞い散る花の唄。









−懺悔のお時間−

ども、古歌です。
冬の写真を撮ってくるとかいいつつ、なぜか季節感丸無視の桜の写真です。
あはは、ごめーんね。
昨日の休みで散歩に行ったけど、カメラも携帯も全部忘れてしまったってオチ。
二時間ぐらい地元をぶらぶら。クソ寒いなか海でぼけーっと。
何をしているんでしょう、私は。
あー、それにしても寒いぜこんちくしょー。
この寒さはいいよねー。布団に入る幸せ噛み締めるよねー。
ちなみに古歌さん、夢の中で痛みを感じる人です。
あ、夢だな。って分かってるのに、痛い。痛みに驚いて飛び起きることもあったりします。
子供の時からそーなんで、もう今更感満載です。
この話人にすると、珍しいねって言われます。珍しい・・・のでしょうか?
古歌が付き合いのある仲間連中もそのタイプが結構いるので、今更感アップします。
今日は晩御飯食べに行く予定。がっつり肉が食べたい・・・肉プリーズ。
ではでは、らびゅー。